真空の科学的な意味と隠れた用途について

真空は「空気などの物質が全く無い空間」とか「何も無い状態」と一般的に考えられています。

 

科学的にはこの状態を「絶対真空」と言い、作り出す事が不可能とされています。

科学においては大気圧よりも低い圧力の空間を意味し、
日本工業規格(JIS)では「大気圧よりも低い圧力の気体で満たされた空間の状態を指し、圧力そのものを指すものではない。」と定義されています。

真空空間には様々なメリットがあります。

まず、酸素が少ないので酸化しにくく、熱を奪われないため、熱が冷めにくくなります。

また、大気圧よりも圧力が低いので沸点が下がり、
振動が伝わらないので、音が聞こえなくなり、絶縁状態となるので電気が通りにくくなります。

真空は製品自体に利用されるものと、製造技術として利用されるものに大きく分ける事が出来ます。

製品では魔法瓶や食品の真空パックなどが良く知られています。

白熱電球や蛍光灯はフィラメントの酸化を防ぐことで寿命を延ばす事が出来ます。

 

あまり知られていない隠れた用途では、沸点が低いことでドライフリージング技術が開発され、インスタントコーヒーや即席めんなどに応用されています。

 

製造技術では真空空間は気体分子が少ないので、非常にクリーンな環境作りに応用されています。

真空空間はプラズマを均一に発生させられるので、
葉の切れ味が長持ちするカミソリから、
TV画面の液晶モニターや太陽電池のソーラーパネル、
更にはメガネのフレームや時計のベルトなどの被覆装飾などにも利用されています。