真空ポンプをメンテナンスするメリットとは

真空ポンプをメンテナンスするメリットをご案内する前に、
真空ポンプについて少しご説明致します。

 

真空ポンプとは容器に閉じ込めた気体を排出して、真空状態をつくるポンプを指します。

別名「バキュームポンプ」とも呼ばれており、その種類は様々です。

 

ポンプの原理や使用時の圧力、さらには油の使用の有無など構造の特徴によってポンプの種類は分類されるうえに、使用の目的である必要とされる真空度や排出される気体の成分によって、さらなる分類が求められる事もあります。

 

もともとは1206年に技術者兼発明家のアル・ジャザリが吸引ポンプを発明した事が始まりです。 それから年月が経ち、ヨーロッパにもたらされた吸引ポンプは1551年にタキ・アルジンの手によって6気筒式ポンプという真空ポンプに近いポンプに改良されましたが、あくまで真空状態に近い空間を作れるだけでした。

しかし1643年にはエヴァンジェリスタ・トリチェリの結論によって真空をつくるメカニズムは証明され、1654年にようやくオットー・フォン・ゲーリケがポンプを発明した事で現在に至ります。

 

そんな歴史があるポンプですが、現在の技術でも1台で自由に減圧を調整できるものは開発されておらず、排気量や到達圧力など異なるポンプを組み合わせて使う形や、システムを組み込んで、圧力の調整を行う形が一般的です。

今回のコラムのテーマであるメンテナンスですが、真空ポンプの用途として、
減圧をすることがそもそもの目的ですが、機械の一部に組み込まれていたり、目的の到達圧力に達しない場合、その機械の目的を果たせなかったりと、機械の工程として重要な部品の一つして扱われることが多く、真空ポンプの能力を維持することが絶対不可欠になることが多いため、弊社としては定期的なメンテナンスをおすすめしております。

 

真空ポンプのメンテナンスするメリットは、先ほども書かせて頂いたように、故障した際に発生するデメリットを未然に防ぐ事に尽きます。
故障したら最後、ポンプを用いた業務が停止あるいはポンプを用いた目的を果たせずに長時間も不都合な状態が続く事は言うまでもありません。

実際に定期的なメンテナンスをする事で排気時間の維持や向上、使用電気量の負担も減るメリットがあります。最悪の事態を避け、生産性や品質の向上を目指すには定期的なメンテナンスが重要です。

 

メンテナンスのご案内を行う際に必ずと言っていいほどご質問を頂くことは、メンテナンスを行うための目安です。
状況によっても違いはございますが、最も挙げられる目安は運転時間です。
ポンプによって異なりますが、使用してから約1年から2年がおすすめだと言われています。メンテナンスの方法もポンプの種類やお客様の状況によって違いますが、出張して現場で行う事もあります。その際には消耗部品の交換なども行いますので、長く真空ポンプをご利用いただけます。

 

しかし、定期的なメンテナンスを行ったとしても早急の対応が必要な場合があります。その多くはもちろん、ポンプに異常が出た場合です。
ポンプの異常としてわかりやすいものは、真空圧に達するまでの時間が倍になった、オイル交換など可能な範囲でケアしても時間が短縮されない状態やレベルケージの変色がある、オイルのにじみや漏れといった汚れが目立つ、オイルに錆や水が混じっている状態になっている等あります。

 

他にも多々ありますが、異常の内容に関しては、真空ポンプの種類によっても違いますので、まずはご購入されたメーカーもしくは弊社のような真空ポンプのメンテナンスを行っている企業へお問い合わせいただけるとよろしいかと思います。